行方市は県外にも知られるシソの産地。特にシソ農家が多い同市小貫地区を訪ねると、「シソのおいしさを、1人でも多くの人に伝えたい」と願う原みず希さん(35)がいた。原さんは、10年余り前から、代々続くシソ専門農家の中心メンバー。
シソは通年で出荷されるが、一番需要が多いのは夏。さっぱりとした味わいが夏向きで、多くの料理で薬味として重宝される。
原さんは、こうした日本の食文化に感謝しつつも、「それを一歩進めたい」と考えている。シソを、メイン級の食材として楽しんでもらいたいというのだ。
おすすめのシソレシピとして、2つを教えてくれた。1つは、ニンニク風味の洋風シソだれ。このたれは、どんな料理にも寄り添い、引き立て合う。もう一つは、シソの葉を、味のりの代わりのようにしていただくものだ。
▲洋風シソだれを使った料理。たれは、濃い緑のもの
2つとも、友人らにシソをおすそわけするときに必ず勧める料理法。自宅でひんぱんに開いているというシソパーティーでも大活躍するという。
おすそわけとシソパーティーの開催は、シソの普及を願う気持ちの表れ。最近は、インスタグラムでもシソメニューを紹介する。その上で、さらに大きな願いもある。「産地を訪ねるグルメテレビ番組でシソをPRしたいの」
原さんの髪は、金髪に近い茶色。華やかに整えた爪を見ても「本当に農家?」と思わせる。それでも、「農作業では、女性であることを言い訳にしたことはない」と言い切る。
そんな個性を売りにして、「“シソガール”だなんて名乗ったら、ずうずうしいけど、テレビ受けしそうだよね」と、照れ笑いする。
作ってみよう
洋風シソだれ
①加熱したオリーブオイルにみじん切りにしたニンニクを加えて、ニンニクの香りをオリーブオイルに移す②刻んだシソを加えてしんなりしたら完成。上の写真のように各種オードブルに合う。瓶に入れて長期保存可能
味のり風シソ
①ごま油とめんつゆを1対1で合わせた液にシソを浸す。タッパーを使う②半日で完成