日立市にあった鉱山の「日立鉱山」の閉山40周年を記念した写真展が7月4~7日、同市大みか町の茨城キリスト教学園で開かれる。茨城キリスト教大学文学部文化交流学科主催。展示は、同鉱山の最後の日々を撮影した約30点。当時、現場に立ち会った同大の教員と外部講師の2人が中心となって企画した。写真展は一般の来場もできる。
同鉱山は1905年に本格的な開発が始まり、1981年に閉山となった。現在のJX金属と日立製作所のルーツで、近代日立市の原点ともいえる存在。
2人は、同科教員の清水博之さんと、東京で雑誌のカメラマンをしている中井川俊洋さん(63)。2人とも同市生まれ。
清水さんは同鉱山の閉山間際の日々に、民俗学の調査員として立ち会った。当時、日本大学芸術学部写真学科の4年生だった中井川さんは、自ら申し出て記録写真を撮影した。
写真展を企画したのは、同鉱山と、同鉱山で働いた人たちの姿から、「若い人たちに、街作りへの勇気を感じてもらいたかったから」と、清水さん。
同鉱山の閉山から40年が過ぎ、日立製作所の工場群は他の企業へ運営が移り、街の活気も少なくなったことが背景にある。
展示する写真は、中井川さんが撮影したもの。最後の発破を行う瞬間や、閉山式で、万歳をしながらも大粒の涙を流す様子、坑内の休憩室で弁当をほおばる姿など。
主に地下900mの坑内で、ストロボは使わず、その場の光のみで撮影した。
中井川さんは閉山後も取材を続けていて、9月には、「日立鉱山に生きた人々 『閉山』とその後、そして現在」と題した写真集を出版する。
写真展の開催時間は午前10時~午後4時。場所は学園記念館。正門の守衛所で「写真展見学」と伝える。なお、大学構内の駐車場の利用はできない。問い合わせは、清水さんの研究室☎0294・53・9202(留守番電話対応)へ。