いにしえの郷土探る 樫村さん が続編著書出版(茨城・水戸市)
「地域の歴史を知る手がかりの一つになれば」と、樫村さん

  水戸市見和の樫村弘明さん(75)はこのほど、奈良・平安時代の同市の1つの事情をまとめた著書「那珂川のほとり―河内駅家(うまや)を探す―」(2021年発行)の続編「続 那珂川のほとり―河内駅家と駅田の謎を解く―」を自費出版した。

 テーマは、同市内に置かれた「河内駅家」。前書では、その所在地を推察し、続編では、「所在地を解明できた」と、樫村さん。

 河内駅家は、全国の通り沿いに設置されていた駅家の一つ。駅家では、情報の伝達を行う公的な使者・駅使(えきし)が、休憩や宿泊をしたり、馬を乗り換えたりした。古代常陸国には16か所の駅家が存在したとされるが、所在地が特定されていない場所があるという。

 樫村さんが前書で推察した河内駅家の所在地は、那珂川沿いの渡里地区。続編では、土地の形状や名称の変化、面積に着目し、渡里地区にあった2か所の小字名「神田」から考察したり、地図帳「土地宝典」から割り出したりして、「解明できた」とした。

 樫村さんは、元県職員。長年建築職を担当するなど、建築が専門だった。前書では、発掘や歴史的な文献に当たるだけでなく、地層を見たり、GPS位置情報を活用したりするなど、土木設計の知識を用いてアプローチした。

 1冊2200円。送料、手数料別。樫村さん☎029・227・0156。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう