ひたちなか市の書家、根本墨縁さん(81)がこのほど、「毛筆文字マラソンのすすめ」という冊子を製作した。毎日20分、筆で漢字12文字を書いて、上手下手にとらわれない、自分だけの「いい字」を育てようという提案書。
「長い距離を走るように、毎日文字を書き続ける“文字マラソン”。日記代わりに筆をとってみて」と、根本さん。
冊子では、同マラソンに取り組む手順のほか、「『一字専心』の気持ちで、ゆっくり丁寧に」などと、心構えも紹介した。また、冊子の別冊として、同マラソンのための課題文字として選んだ3000字を掲載した「見本帳」も作った。課題文字は常用漢字が中心だ。
根本さんは、漢字力の低下を心配して、暮らしの中に文字を書く習慣を取り戻そうと活動して約20年。上手下手にとらわれず、書くこと自体を楽しむ「書字」という考え方を提唱し、本を出版。手書き文字の力を実感してもらおうと、合計5万もの文字を書いた半紙を床に敷き詰めたユニークな展示会も開いた。
冊子や見本帳の販売は決めていないが、内容の説明や貸し出しは行う。