
大子町の「大子漆工芸くらぶ」の元講師で、一昨年に53歳で急逝した福島県の漆芸家、角田(つのだ)純一さんの遺作展「角田純一遺作展 色漆を絵具のように使って」が、同町大子のドレメ美術館で開かれている。
漆に顔料などを混ぜた「色漆」で描いた漆絵を中心に約60点を展示している。サイズは、80号の大作から小品まで。6月14日まで。
角田さんは、会津塗を家業とする家に生まれ、20歳から父親の弟子になった。漆絵を多く制作し、2007年に裏磐梯に工房を構えてからは自然の風景を描いた。日展では入選20回を数えた。大子漆工芸くらぶでは、6年間講師を務めた。
漆絵は、画材の表面に模様を彫ってから金粉を埋めた「沈金(ちんきん)」、細かく砕いた卵の殻を貼って漆を重ね塗りした「卵殻(らんかく)貼り」など、さまざまな技法が光る。
遺作展は、大子漆工芸くらぶのメンバーと、角田さんの家族で開いた。同会代表の深谷雄一さんは、「作品から、漆の表現の幅広さを知ってもらえたら」と、話している。
開館時間は、午前10時~午後4時。水、木曜定休。入場無料。美術館の場所は、筑波銀行大子支店前。