バーカウンターから干し芋ケーキ バー・アマエビの「ラムいもチーズケーキ」 昨秋のグルメイベントで健闘(茨城・東海村)
ラムいもチーズケーキ(鹿島秀憲さん撮影)

  東海村舟石川駅東のバー「アマエビ」で提供している「ラムいもチーズケーキ」は、昨秋に水戸市で開かれた県主催のイベント「シン・いばらきメシ総選挙2024」の最終審査まで残った品だ。

 同イベントは、県のご当地グルメのナンバー1を決めると銘打ったコンテスト。スイーツ部門には、39市町村が選りすぐった商品を出品。ラムいもチーズケーキは東海村を代表してエントリーした。

 「大人向けの味だから、受け入れられるか心配だった」と振り返るのは、レシピ考案者で、アマエビの店主海老沢正樹さん(33)。そう思ったのは、完成に至るまでの意見交換の場所がいつも、夜更け過ぎの同バーのカウンターだったから。

 

 

 始まりは、同バーの常連で、干し芋農家の照沼勝将さん(38)のなげき。「あまりにもったいない」

 干し芋の製造工程で出る切れ端部分は、商品化できない。

 それを聞いた同じく常連でデザイン会社経営の根本正義さん(47)が、干し芋の切れ端部分を手にバーを訪れると、話しが動き出した。

 海老沢さんはスイーツ作りも得意。チーズケーキの材料にする案は、すぐに浮かんだ。それからは、2人が来店するたびに試作品を出した。

 干し芋は、ラム酒に3日間ほど漬けてから、チーズケーキの生地に合わせることにした。生地にも、ラム酒に漬けた干し芋のペーストを加えた。

 「自分を頼ってくれた2人を喜ばせたい。その一心でした」と海老沢さん。根本さんと照沼さんは、「味も見た目も想像を超えていきました」。そのうちに、「地元の干し芋を使っているし、村の手土産になったらいいね」と、夢が膨んだ。

 シン・いばらきメシ総選挙開催の話を聞いた海老沢さんはすぐに、このチーズケーキで勝負することを決めた。3日間のイベントで、ほとんど寝ずに約1000食を製造販売。

 イベント後、根本さんは照沼さんを誘って来店し、3人で乾杯した。

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 ケーキは、バー「アマエビ」と、姉妹店の「カジュアルダイニングebi(エビ)」(イオン東海店内)で提供している。アマエビのインスタグラムのアカウントは、(whisky_sweets_amaebi)。

 

記事中写真=海老沢さん(中央)と、根本さん(左)、照沼さん

 

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